![](http://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/08/Botticelli.jpg)
美術検定とは、幅広い美術の知識を基に作品の魅力を発見し、またその知見を通してアートと積極的に関わることのできる人材の育成を目的とした検定のことです。
幅広い知識を得るためには、いかに多くの作品と触れ合うかが鍵となります。この記事では美術検定4級の出題傾向から厳選した問題(西洋美術のルネサンス〜近代美術)をご紹介します。4級では西洋美術・日本美術の基礎知識が問われ、代表的な作品や作家名が多く出題されます。
ぜひ、たくさんの問題に挑戦して楽しく美術の知識を獲得しましょう。
ルネサンス
Q. 下の作品のタイトルは何でしょう?
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1 プリマヴェーラ(春)
2 ミロのヴィーナス
3 ヴィーナスの誕生
4 ウルビーノのヴィーナス
正解3「ヴィーナスの誕生」
ボッティチェリが1485年頃に描いた作品。ボッティチェリは初期ルネサンスを代表する画家で「プリマヴェーラ(春)」と同様、メディチ家からの注文により制作されました。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/Primavera-Botticelli.jpg)
「ミロのヴィーナス」は1820年にメロス島で出土した紀元前2世紀頃に作られた大理石彫刻です。右足に重心をかけ、軽く体をひねった姿はヘレニズム彫刻の特徴を表しています。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/Venus-de-Milo-545x1024.jpg)
「ウルヴィーノのヴィーナス」はヴェネツィア派の巨匠、ティツィアーノが1538年に描いた作品で、彼の横たわる裸婦のスタイルはその後の画家に影響を与えました。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/Venus-of-Urbino.jpg)
Q. 次のうち、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品はどれでしょう?
1 最後の審判
2 最後の晩餐
3 アテネの学堂
4 ラス・メニーナス
正解2「最後の晩餐」
「最後の晩餐」はレオナルド・ダ・ヴィンチが1495年から3年をかけて制作した壁画です。聖書を題材とした内容でイエス・キリストと12人の使徒が描かれています。レオナルド・ダ・ヴィンチは線遠近法や空気遠近法を完成させ、その後の芸術に多大なる影響を与えました。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/The-Last-Supper2-1024x512.jpg)
「最後の審判」はミケランジェロが1536〜1541年にかけて制作した壁画で、システィーナ礼拝堂の祭壇に描かれています。再臨したイエス・キリストが蘇らせた死者に審判を下すシーンが描かれています。デフォルメされた人体や誇張された肉体美などルネサンスからマニエリスムへの転換期の作品とみられています。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/The-Last-Judgment-Michelangelo.jpg)
「アテネの学堂」はラファエロが1508〜11年にかけて制作したフレスコ画でルネサンス文化がお手本とした古代ギリシャの哲学者・科学者が多く描かれています。ラファエロはレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロの良いところを参考にバランスの取れた安定的で調和の取れた作品を多く残しました。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/raphael-school-of-athens.jpg)
「ラス・メニーナス」はスペイン・バロックを代表する画家、ベラスケスが1656年に描いた作品で、画面の鏡の中にはスペイン王フェリペ4世夫妻や王女マルガリータ、女官、侍女、そしてベラスケス本人も描かれています。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/Las-Meninas.jpg)
バロック・ロココ
Q. 下の作品の作者とタイトルの組み合わせで正しいのは次のうちどれでしょう?
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1 ルーベンス − キリスト昇架
2 ヴァン・ダイク − 英国王チャールズ1世の肖像
3 フェルメール − 牛乳を注ぐ女
4 レンブラント − 夜警
正解4「レンブラント − 夜警」
「夜警」はレンブラントが火縄銃手組合から依頼され1642年に制作した集団肖像画です。画面が黒ずんでいたため夜の景色と間違われましたが、実際は左上から光が差し込む昼の情景とされます。
ルーベンスはフランドルバロックを代表する画家で、荘厳な歴史画、宗教画を多く描きました。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/The-Elevation-of-the-Cross-Rubens.jpg)
ヴァン・ダイクはルーベンスの工房で助手として働いたのち、イギリス王チャールズ1世の宮廷画家となり、優れた肖像画を多く残しています。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/Anthony-van-dayck-Charles-I-at-the-Hunt.jpg)
フェルメールはレンブラントと並ぶ、オランダ・バロック絵画を代表する画家です。光学機器や透視図法を用いた柔らかな光の描写と計算された構図に定評があります。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/vermeer-the-milkmaid.jpg)
Q. 下の作品を描いたのは次のうち誰でしょう?
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/caravaggio-seimatainosyomei.jpg)
1 レンブラント
2 カラヴァッジョ
3 ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
4 ルーベンス
正解2 カラヴァッジョ
ローマで活躍したカラヴァッジョの特徴は暗闇の中から対象を浮かび上がらせる明暗表現と劇的なまでのドラマチックな構図にあります。「聖マタイの召命」ではキリストの背後から差し込む眩い光がマタイへと続いています。
レンブラントは「光の魔術師」の異名を持つほど光の表現にこだわりを見せました。斜め上方からの強い光はレンブラントライトとして知られています。しかし、晩年は描かれた対象が発光するかのような光の表現に行き着きました。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/Rembrandt-The-Jewish-Bride-1-1024x737.jpg)
ジョルジュ・ド・ラ・トゥールはフランスで活躍した画家で、光と影の明暗表現を極め「夜の画家」とも呼ばれています。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/La-Tour-Joseph-the-Carpenter.jpg)
ルーベンスはバロック期のフランドルの画家で、劇的な力強い筆致の作品が多いです。「フランダースの犬」で主人公のネロがどうしても見たいと望んでいたのがアントウェルペン大聖堂にあるルーベンスの「キリスト昇架」と「キリスト降架」です。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/Peter-Paul-Rubens-The-Descent-from-the-Cross.jpg)
近代美術
Q. 次のうち新古典主義の画家ダヴィドの作品でないのはどれでしょう?
1 ホラティウス兄弟の誓い
2 マラーの死
3 サン・ベルナール峠を越えるナポレオン
4 泉
正解4「泉」
「泉」は新古典主義のもう一人の巨匠、アングルが1856年(制作開始1820年)に完成させた絵です。アングルは古代ギリシャ・ローマやルネサンスの美術を模範にデッサンを重視した安定的な構図の作品を残しました。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/Jean-Auguste-Dominique-Ingres-Angle-The-Source-513x1024.jpg)
ダヴィッドも新古典主義の画家として当時台頭してきたロマン主義に対抗します。前時代の繊細で華麗なロココ調から、古代ローマの文化を理想にたくましく硬派な新古典主義を確立します。「ホラティウス兄弟の誓い」はその代表例です。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/Jacques-Louis_David-Oath-of-the-Horatii-1024x789.jpg)
そして「サン・ベルナール峠を越えるナポレオン」など、ナポレオンの行動を称える作品や「マラーの死」などフランス革命の指導者を礼賛する絵を描いています。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/Jacques-Louis_David_-_Marat_assassinated-796x1024.jpg)
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Q. 次の絵の作者は誰でしょう?
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1 ジェリコー
2 アングル
3 ドラクロワ
4 ダヴィッド
正解3 ドラクロワ
ドラクロワが1830年に描いた「民衆を導く自由の女神」です。ドラクロワは「キオス島の虐殺」や「サルダナパールの死」など当時の主流である新古典主義とは対照的なドラマチックで美しい色彩の絵を描きました。
ジェリコーはロマン主義の画家で、代表作「メデュース号の筏」はフランスの軍艦が西アフリカ海岸で沈没した事実を基にしたもので、荒波にのまれながらも立ち向かう人々を描きロマン主義絵画の幕を開けます。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/Géricault-The-Raft-of-the-Medusa-1024x692.jpg)
アングルは新古典主義を代表する画家で、デッサンを重視し描写力に優れました。また、東方趣味の優雅な雰囲気を積極的に絵に取り入れました。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/Dominique_Ingres-La-Grande-Odalisque-1024x573.jpg)
ダヴィッドは新古典主義の画家です。当時のヨーロッパはポンペイの遺跡から古代ローマの史跡が見つかり、古代ブームが起きていました。それによりギリシャ・ローマの芸術や様式が見直されました。また、ナポレオンの首席画家に任命されナポレオンを礼讃する絵を多く描きました。
![](https://artflow-jp.com/wp-content/uploads/2020/11/Jacques-Louis_David_The-Coronation-of-Napoleon-1024x645.jpg)