「芸術からの平和希求」をテーマとした展覧会「国際平和美術展」が開催されます。この展覧会は1993年に創設され、今年で28回目を迎えます。
この展覧会は、日本国政府をはじめ自治体や公的機関の支援により、各都市の美術館や各国の宮殿などを会場に、人々に平和への思いを伝えてきた歴史があります。
毎年、国内と海外にて作品展示を行なっていて、一昨年は広島とスイス・ジュネーブ、昨年は神奈川県とオーストリア・ウィーンにて開催されました。
第28回目となる今回は国内展が京都、海外展がリトアニア共和国・ビリニュスとなっています。
見どころ
2020年の今展では外交官・杉原千畝をテーマに掲げています。今年は、リトアニアで「命のビザ」によって6千人以上の命を救った外交官・杉原千畝の生誕120周年の節目であり「命のビザ」の発給から80周年にもあたります。
海外展の会場はリトアニアの首都ビリニュスということで、両国の友好関係をアートでより強固にしてくれることでしょう。
杉原氏が身の危険を冒しながら行なったビザの発給は「平和を願う」展覧会のテーマに合致します。「アートによる平和への願い」は展覧会のサイトにも謳われています。
自らの危険を顧みず多くの人々を救い、命の尊さを示した杉原千畝は「心」で動きました。アートもまた「心」で感じるもの。「アートによる平和へのパスポート」である本展の開催によって、両国の文化交流をこれからも華々しいものにする所存です。
第28回 国際平和美術展オフィシャルホームページ
杉原千畝とは?
杉原千畝(1900〜1986)は岐阜県に生まれました。第2次世界大戦中、日本領事館領事代理に在任していたリトアニアのカウナスで、ナチス・ドイツの迫害から逃れて、他国へ脱出しようとしていたユダヤ人に独断で日本のビザ(査証)を発給。約6千人の命を救い、その子孫たちは25万人にも及ぶとされます。「命のビザ」発給を行なった杉原千畝は、同様に多くのユダヤ人を救ったオスカー・シンドラーになぞらえ、「東洋のシンドラー」と呼ばれ、その偉業は世界に語り継がれています。
第28回 国際平和美術展オフィシャルホームページ
出展作品は日本画、洋画、彫塑・陶工芸、写真などさまざまなジャンルからなり、100名を超えるアーティストの作品計193点を展示する予定となっています。会場は入場無料ですので、ぜひご覧ください。
【展覧会概要】
展覧会名 第28回国際平和美術展 国内展
会期 2020年9月9日(水)~13(日) 10時~18時 ※最終日は13時まで
会場 京都市美術館 別館2階(京都市左京区岡崎最勝寺町13)
主催 株式会社クオリアート
入場料 無料
公式サイト https://www.qualiart.co.jp/event/heiwaten2020/