判じ絵は江戸時代後期に流行したなぞなぞのことで、様々な絵からそこに隠された言葉を読み解いていくものである。江戸庶民に大いに親しまれたという。
判じ絵はもともと平安時代後期から行われていた「言葉あそび」に「なぞなぞ」の要素を掛け合わせて作られており、そのテーマは地名や道具、役者や力士など多岐にわたる。
判じ絵を読み解くポイントは同音異義語やダジャレなど、言葉と言葉を組み合わせて推理していくことにある。今流行の脳トレにもつながる、そんな判じ絵のいくつかご紹介しよう。
カエルが手にしているモノは?
カエルがいる。睨みを聞かせたそのカエルはガマである。ガマが手にしているのはお茶を立てる時の茶筅(ちゃせん)。奥には茶杓(ちゃしゃく)と棗(なつめ)が見える。そう、ガマが茶を立てているので「ちゃがま」ということになる。
正解「茶釜」
ポイントは野菜男!
次はどうだろうか?人が中腰で屈んでいる。お尻からは黄色い光線が吹き出しのように出ている。そう、これはおならを意味する。では、この男性はどうだろうか。よく見ると顔が何やらおかしい。何と顔が野菜になっている!しかもこの野菜は菜葉である。菜葉に屁でピンと来ただろうか?そう、「菜+屁」で「なへ(べ)」となる。
正解「鍋」
目が大変なことになっている!
男性の目に注目。普通ではない。ある漢字になっているのだ。そう「水」である。目が水になっていて反対にすると「水が目」となる。そう、「水が目」で「みずがめ」。
正解「水瓶」
右の男性の困った顔に注目!
左の男性は中腰でお尻を突き出したお決まりのポーズ。もうお分かりだろう。おならが出ているのだ。男性の頭には「あ」の文字、おならには「さ」の文字がある。右の男性はそれに対して手で鼻を覆っている。真顔で「くさ!」と言っている。正解は「あさくさ」なのだが、おならに「く」の文字が隠されていることや吹き出しのような構図など、なかなか良く作り込まれている。
正解「浅草」
ネコがひっくり返っている。
「歯」である。歯並びはすこぶる良い。上唇も肉厚である。その歯の下にはネコがいる。ネコは天地がひっくり返って逆さまになっている。もうお分かりだろう。「歯」とネコの反対の「コネ」で「はこね」
正解「箱根」
ひたすら「ぬ」を書く。
これは難易度が高い。ヒントは地名である。東海道の宿場町。少年は習字の練習中で何度も「ぬ」という文字を書いている。どうも上手くいかないのか、浮かない表情でただひたすら筆を走らせる。「ぬ」が上手くいかないので、「ぬ」がまずい。「ぬ」が「まず」いので「ぬまず(づ)」
正解「沼津」
いかがだったろうか?判じ絵とは言葉と絵(イラスト)を組み合わせたなぞなぞであるが意外に難しいものもあり、頭を使うという意味では脳トレにもつながる。ぜひ江戸時代の庶民のように気軽に楽しんでみては如何だろうか?