日本の美意識を色と模様に表した「きもの」。その原型である小袖は、室町時代後期より、染や刺繡、金銀の摺箔などで模様を表し、表着として花開きました。美しく彩られたきものが着用され始めた江戸時代、町を行き交う人々がファッショニスタでした 。
明治 ・ 大正時代には、型友禅や銘仙など近代的な技術を駆使したきものが流行。戦後、きものはモードの一線を離れ、現代アートを志向するデザインが登場しました。 きものは、現代に至るまで多様に展開しながら成長し続ける日本独自の美の世界を体現しています。
本展では、信長・秀吉・家康・篤姫など歴史上の著名人が着用したきものや、尾形光琳直筆の小袖に加え、「観楓図屛風」をはじめとした絵画や、現代アーティストによるきものなど、約300件の作品が一堂に会します。
800年以上を生き抜き、今なお新たなファッション・シーンを繰り広げる「きもの」を、現代に生きる日本文化の象徴として展覧し、壮大な 歴史絵巻を繰り広げます。質・量と もに世界最大のきものコレクション を有する東京国立博物館で開催する、 かつてない規模のきもの展です。
鎌倉時代から現代までを通覧する、初めての大規模きもの展!
鎌倉時代から現代までを通史的に総覧する、かつてない規模のきものの展覧会です。加えて、東京国立博物館では1973年に特別展「日本の染織」を開催して以来、47年ぶりとなる大規模な染織の展覧会となります。
本展では、国宝、重要文化財を含む染織作品、屛風や浮世絵などの絵画作品によって、きものの壮大な歴史絵巻を繰り広げます。
光琳「冬木小袖」が登場。
尾形光琳は、江戸での寄宿先である深川の材木商・冬木家に滞在中、冬木家の奥方のために白小袖に秋草図を描きました。
光琳は呉服商雁金屋に生まれましたが、彼が直接小袖に描いた作品のうち完全なきものの形で遺されてきた真筆は、「冬木小袖」の名称で知られるこの1領のみです。
信長・秀吉・家康や篤姫など歴史上の著名人の衣装も多数。
戦国時代、天下統一を目指した3武将、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が着用したと伝えられる衣装をはじめ、秀吉の正室であったおね(高台院)、側室であった淀殿ゆかりの衣装や肖像画、天璋院篤姫の衣装などを展示。そこには、数寄な運命を辿った歴史上の人物の性格も垣間見えます。
(開催趣旨、見どころは公式HPより転載)
開催概要
展覧会 特別展「きもの KIMONO」
会期 2020年6月30日(火)~8月23日(日)
前期展示:6月30日(火)~7月26日(日)
後期展示:7月28日(火)~8月23日(日)
会場 東京国立博物館 平成館[上野公園]
時間 午前9時30分~午後6時
休館日 月曜日、8月11日(火) ※ただし8月10日(月・祝)は開館
主催 東京国立博物館、朝日新聞社、テレビ朝日、文化庁、日本芸術文化振興会
公式HPはこちらから